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寒さが厳しくなってきた12月24日土曜日のクリスマスイブ、この日は部活も休みで私は姉へのクリスマスプレゼントを持って母と病院に行くことにしていた。
しかしこの日の朝、病院から緊急の電話が入った。
姉が危篤状態に陥ったという連絡だった。
父は休日出勤ですでに会社に出社していたため、母と私は急いで車で病院に向かった。
病院に入ると病室に姉の姿はなく、ナースステーションで看護師さんに聞くと姉は緊急で手術室に移されて手術中という話だった。
母と私が手術室に行くと、ドアの上の手術中のランプが点灯していて、母と私は手術室前の待合所の長椅子に座って待つことにした。
この時の私は祈るような気持ちで手術が終わるのを待ち続けていて、時間の流れがすごく遅くなったように感じていた。
1時間ほどすると手術中のランプが消えたので、母と私は立ち上がって手術室のドアを見つめると中から医師が出てきて、
「ご家族の方ですか?」
と聞かれたので母が、
「藍那の母です。」
と答えると医師が、
「娘さんですが、手を尽くしたのですが、残念ながら息を引き取りました。
詳しい状況は後程ご説明します。」
と神妙な面持ちで話してくれた。
母は医師に、
「いろいろとありがとうございました。」
とお礼の言葉を伝えると、母は待合所の長椅子に崩れるように座って泣き出してしまった。
そんな母の姿を見て、私も母の隣に座って涙が溢れて止まらなくなった。
翌日の夜に通夜、その翌日に葬儀を執り行った。
急に姉を失った私は、深い悲しみのどん底に突き落とされたような気持になった。
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