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「澪那、ここまでよく頑張ったね!
でも澪那は私の夢を叶えるために試合しなくてもいいからね!
澪那は自分自身の夢を叶えるために戦ってほしいと私は思っているよ!」
姉が私に優しく言葉をかけてくれた。
「自分自身のために…」
私がぼそっとつぶやくと姉が、
「そう、自分自身のために…」
と言ってくれた。
そんな会話をしていた私は、いつの間にが手の震えが止まって緊張が和らいでいることに気が付いた。
「わかったよ、お姉ちゃん!
私は自分自身のために戦うよ!
だから私のことをしっかり見ていてね!」
私が姉に強い決意を伝えると姉は、
「うん、私はいつも澪那の近くにいて、しっかり澪那のことを見ているよ!
約束する。」
と優しく言葉をかけてくれて、笑顔の姉の体は白い霧に包まれて姿が見えなくなり、やがてその霧は消えてしまった。
辺りが元のように明るくなると大会スタッフの方から、
「決勝戦のお時間ですので、コートにお入りください。」
と声をかけられ、私は大歓声のコートの中に入った。
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