汗っかきの登校

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汗っかきの登校

朝、学校に着くと徐に私は汗を拭くタオルを出した。 大量の汗を拭うと、クラスメイトの秋元里衣(りえ)がやって来た。 夏の盛りに彼女の周りだけ、エアコンの涼やかな風が吹き抜けているかの様だった。 汗をかかず爽やかに私に挨拶をしてきた。 「おはよう、友香。」 「おはよう…」 羨まし過ぎると、妬ましくなる。 ねっとりと見つめる視線に気づいて、里衣は小首を傾げて聞いてきた。 「友香、どうしたの?」 「里衣の周りだけ、エアコンが効いているみたいで。汗をあまりかかないのが、羨ましい。」 「気にしすぎなのよ!」 「汗っかきじゃない人間には、わからないもん。 里衣なんて、ハゲちゃえばいいのに…。」 里衣は苦笑いを浮かべると、肩まで伸びた髪をかきあげる。 「友香は今日も水泳部を覗きに行くの?」 「今日は放課後に委員会があるから、行けそうにないの。 見に行けなくて、寂しいなぁ。」 放課後、学校に併設されている屋内プールをこっそり見ることの出来る場所がある。 私は放課後そこから、原田君を見ている。 ストーカー感は否めないけれど、原田君の競技用の水着姿は輝いている。 美しいとさえ思う肉体美は、彼の努力の結果なのだろう。
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