【 エピローグ:夏ちゃんの心 】

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【 エピローグ:夏ちゃんの心 】

 気付くと辺りはもう暗くなってきている。 「あっ、ごめん……」  僕は、小夏ちゃんをずっと抱きしめていた。 「あっ、私は大丈夫かも。姉がここにいるから」  そう言って浴衣の胸の辺りに、彼女が手をやる。 「夏姉(なつねぇ)ちゃんの心臓が、ここにあるから……」 「まさか……」  その時、夏の夜空に大きな、とてもきれいな花火の大輪が、ふたりの間に咲いた。 (了)
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