32人が本棚に入れています
本棚に追加
【 夏ちゃんはどこ? 】
(あれ? 夏ちゃんはどこ? この胸の中にあるものは何?)
少し触って確認してみる。
上から、頭があって、肩があって、背中があって、お尻が……。
「あん♪ 光さん……」
「って、うわぁーーっ! ごめん、ごめん! 大丈夫だった!?」
「はい、光さんに受け止めてもらったので、大丈夫でした……」
彼女は尚も僕の胸の中で、はにかみながら両手を猫ちゃんのように丸めて口元を押さえている。
彼女からはとてもいい香りがする。何か爽やかで甘いクリームソーダのような。
上目遣いで僕を至近距離で見る彼女の瞳に耐え切れず、目を閉じながら思わず天を仰ぎ、ふぅーっと息を吐いた。
完全に僕は彼女に惚れた。やばいくらいに……。
「うふふっ、光さん、ものすごく顔赤いですよ」
「ああ~、もう日焼けしちゃったかな? あははは……」
僕は髪を右手でクシャクシャと掻き毟りながら、照れ隠しをした。
「ちょっと濡れちゃったね」
「濡れましたね。うふふっ」
それでも、彼女はなぜだか、まだ僕の胸の中にいる。居心地がいいのか?
ふと、視線を下すと彼女の意外にたわわに実った白い胸がチラリと見えた。
それを見た途端、僕はもう一度、天を仰いだ。
最初のコメントを投稿しよう!