天使がくれた地球のコア

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  * 「また会えたね」 次に少年に会ったのは私が27才の時だ。 その時私は結婚を考えていた彼氏に浮気されて、失意のどん底にいた。 「大丈夫、もっといい人に会うよ。保証する」 突然現れた彼は10歳くらいのまま、全然歳を取っていないみたいだった。 --というか、取っていなかった。 「君は、彼の親戚かなんか?なんで私のこと知ってるの?」 「言ったでしょ?僕は君の守護天使なんだ。一生君のことを見守ってるよ。そういえば、鉄は飲んでる?」 言われて、最近飲むのを忘れていたことに気づく。 少年が差し出した掌にはまた、あの時と同じ黒いカプセルが乗っている。 「はい、これ、飲んでね。あなたが元気でいてくれないと、僕は困るんだ」 そう言うと、「ヘム鉄」と書かれたプラスチックのボトルをカシャカシャと振った。 * それから彼は、もう一回、私の人生のピンチの時に現れた。 その後結婚した夫が事業に失敗して多額の借金を抱えた時だった。 そして、「地球のコア」を私に渡して、精一杯励まして去っていった。 なんとなく、彼が現れると「私には守護天使がいる」と思えて、死にたかった気持ちが癒えていった。
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