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吹く風は湿気を帯び、空の半月は朧に霞む。早ければ今夜にでも雨が降りそうな、酷く蒸し暑い夏の夜。
二十歳くらいの青年2人が、コンビニの前で なんてことのない会話をしている。
「こんな日は出るね。」
「そうだね。…雨が降る前に行ってみる?」
「もちろん!夏の風物詩だし。」
2人は息を合わせるように 車に乗り込んだ。特に話題がある訳じゃなくても、気の合う2人の会話は尽きなくて、たまに途切れて 飲み物を飲む音やBGMが良く聞こえる時がある程度だ。
やがて 明るかった町の中を通り越し、閑散とした道を行く。そして、小さな墓地の脇をゆっくり通る…
「ん~、今日は 此処じゃない。」
「任せるよ。」
更に車を走らせ、小さな橋を幾つか渡り、峠道をゆっくり走り、やがて静かに車を停めた。
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