3章

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服を二着とサンダルを買った。その時福引券3回分を貰った。福引かぁ、せっかくだからやって行こうかな。そう思った私は福引会場探し、会場へ向かった。もう何年も福引なんてやってないなぁ。最後にやったのは何時だろう?と思い出そうと昔の記憶を辿ったら、それは直樹と近所の商店街へ買い物へ行った時だった。福引券1回分だったが直樹にやらせようと並んだのを思い出した。順番が回ってきて私は、直樹を抱っこして回させた。そうしたらなんと、一万円分の商品券を当てたのだ。あの時の直樹のくじ運に驚いたんだった。あの頃はまだ幸せだったなぁ。 福引会場へ到着して、私は列に並ぼうとした。思ってたより人は並んでいたが、長蛇の列と言うほどでもなかった。 その時、後ろの方から微かにだが、声が聞こえた。 「神崎さん」初めは自分の事ではないと思っていた。横浜まで来て、私の事を神崎と呼ぶ者は居ないだろうと思ってたからである。でも?何となく聞き覚えのある声? 「神崎さん」今度はハッキリと聞こえた!その声は、直樹だ!私は驚きと、暫く声を発してなかったせいか、少しかすれ気味の声でえっ!と発した。 「なんでここに?」すると直樹は言った。
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