3章

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「夏物の服が欲しくて、横浜まで買い物に来たんです。そうしたら福引券を貰ったんで、せっかくだからと思いまして」考えてる事が全く同じだった。 「私も同じ。夏物の服を見に来て、福引券を貰ったから。考えてる事は同じだったみたい」 「まさか横浜で、神崎さんに会うとは、思いませんでしたよ」 「私も横浜で買い物した事なかったから、行ってみようと思って初めて来たの」 「へぇ、それは意外。前はどこにいたんですか?」東京の江東区とは言えず、会社の事務所がある新宿と答えた。 「新宿ってまたいい所に住んでたんですね。僕は祖父母と一緒だったので、祖父母の家があった江東区にいたんですよ」 「江東区、そうなんだ。それより、福引やった事ある?私もだいぶ昔にやった以来で、凄く久しぶり」 「僕は、記憶にないですね。福引は初めてじゃないかなぁ」私は内心、これが初めてと思ってるなら、これは2回目よ。でも無理も無い。私と過ごした日々は記憶に無いんだから…。
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