4章

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4章

私は、由里子と駅前の天ぷら屋に来ていた。 「聞いたわよ、絵理子に厳しく言われたんだって?」 「でも絵理子の言う事は正しいから。私がいつまでも煮え切らずに居るから…」 「まぁ、私も絵理子も綾の気持ちは良く分かってるから。ただ絵理子は、このままで終わらせたくないのよ。綾が今のまま、言い方悪いけど楽な状態でそれに慣れて、そのままズルズルって事が許せないのよね。それは、綾にもっと前へ進んで欲しいから、ちょっと厳しい事言っちゃったんだと思う。私は絵理子の気持ちも分かるけど、絵理子のようには厳しく言えないかな。絵理子だからこそ言えるのよね」 「昔からそうだもんね。私にとって、絵理子は一番上のお姉ちゃんで由里子は真ん中のお姉ちゃん。そして駄目な私は、末っ子の妹。この歳になっても変わらないね。もっとしっかりしなきゃなのに」 「私は、綾は今の綾のままでいいと思うよ。絵理子だってそう思ってる筈。私も絵理子も、綾に何かあれば必ず助けるし、間違った道へ進めば正しい道へ導く」 「高校時代から変わらないね私達」
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