4章

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「そう落ち込まないで。私だって絵理子から聞かなきゃ知らなかった話だし、絵理子だって綾の事を親友と思ったからこそ、綾には黙ってたんだと思うよ」絵理子だって凄く辛い思いをしてたのに、私は頼ってばかりだ。本当は自分の事で一杯な筈なのに、私なんかの為に…。 「由里子が結婚しないのも、もしかして…」 「私!?私は何も理由なんて無いよ。ただ結婚したいと思わないだけ。離婚裁判、特に妻側の弁護ばかりしてるとねぇ、結婚って何なんだろうって、相手側の悪事なんか知ると結婚なんてしたくなくなるわよ。だから私がもし、結婚するとしたら完璧な男でないと結婚する気は起きないわ。そんな男はそうそう居ないのは分かってるけど」由里子は笑顔で答えた。 店を出て由里子を駅まで送っていって帰宅した。 翌日、美樹は休みで自宅で暇を持て余していた。お昼も過ぎブラブラ散歩に出掛けることにした。商店街まで来て喫茶店にでもと思った時、直樹の姿を見つけた。美樹は側に寄って声を掛けた。 「横田さん!」直樹はちょっと驚き振り向いた。 「ああ、美樹ちゃん!今日はお弁当屋さんおやすみ?」
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