4章

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「はい!今日はお休みでお店には、奥さんと神崎さんと武田さんが出てます。横田さんは何してるんですか?」 「今日は休みだから、散歩がてらコーヒーでもと思ってね」 「私も喫茶店でも行こうと思ってたんです。お邪魔じゃなければ、御一緒していいですか?」 「いいよ!一人より話し相手いた方が楽しいし」その時、女性に声を掛けられた。 「あのう、駅へ行きたいんですけど、道に迷っちゃって」 「駅だったら、そこの路地を………………」 「ありがとう御座います。助かりました」女性はお礼を言って去っていった。 直樹は軽く笑った。それを見て美樹は聞いた。 「何か面白い事ありました?」 「いや、高校生の時にさぁ、地元の駅の改札出た所で今みたいに道を聞かれた事があってさぁ。しかも格好が怪しくて。帽子を深く被ってメガネ掛けてて、マスクもしてたなぁ。女の人だったんだけど、ちょっとおどおどした感じでさぁ、駅へはどう行ったらって聞くんだ。だからここが駅ですよって言ったら、罰が悪そうにサッと居なくなってさぁ。その事を思い出したらおかしくなっちゃって」 「それ、おかしいですね!駅で駅の行き方聞くなんて」
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