4章

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まゆみは、早く帰って夕飯の支度やらやらないと、また暴力をと言って席を立った。私と絵理子で玄関まで見送った。その時守くんが私に言った。 「おばちゃん。またチョコレートパフェ食べさせてね」 まゆみは慌てて「こら!守!」 「いいのいいの!子供は正直が一番よ!守くん、また一緒にチョコレートパフェ食べに行こうね」 「うん!約束だよ」 こうして、まゆみさん親子は帰っていった。 「悪いわね綾。わざわざ呼んじゃって」 「全然平気だよ。それに暫くここへも来てなかったし」 「いよいよ明日だね、ディズニー」 「うん。私ね、明日は本当の母親になって来ようと思ってるの。ってなんか言葉がおかしいよね。何ていうのかな、素の姿で直樹の母親やって来ようかなって。絵理子に言わせれば、実際に本当の母親だって言われるかもしれないけど、やっぱり20年は長いよ。20年も母親してないのに、普通にその辺にいる母親の様には、いきなりはなれない。だから、絵理子の名前を使ってるのは申し訳ないけど、今は私にとってあの子の本当の母親になる為のリハビリみたいな物なの。なんか、うまく言えないけど…」
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