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1「超怪力スキルをお望みですね?わかりましたー」
オズマ・ラウ、三十五歳。
この世界で最も稼げると話題の職業、冒険者になってぼっちで旅をしていた次第。
しかしいくら鍛えても貧弱な体格はなく、恵まれた才能もなかったオズマは最終的に冒険者でもDランク止まり。一発逆転を目論んで黒竜に挑んだものの、あっさり返り討ちにあってぽっくりと死にましたとさ。
しかし、彼の物語はここから始まることになるのである。
死んだオズマの目の前に現れたのは、お約束の“女神様”。抽選で当たった数名のみに(なんかの懸賞かいな)、特別に同じ世界での転生と理想的なやり直しをさせてくれるのだという。
つまり。チート補正を付けて、生まれ変わらせてくるというわけだ。
オズマは願った。当然、欲しいものはただ一つ。あんな黒竜にも負けない、圧倒的なパワーである。
「女神様!俺に、どんな敵にも負けない超怪力をくれ!」
「超怪力スキルをお望みですね?わかりましたー」
なんかやけに能天気な女神様は。タブレットみたいなのをぴっぴと操作すると、オズマを新たな人生に送り込みながら言ったのだった。
「まあ、それなりに苦労するでしょうけど、頑張ってください。あとは貴方次第なんでー」
オズマは消える意識の中で思ったのである。
苦労するって何なのか。最強のチートスキルを貰ったはずだというのに。
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