異世界怪奇譚

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俺はジリッと下がり逃げ出せば後方から雄叫びのような咆哮のような物が聞こえ、聞こえたと思った瞬間には体が浮き木に背を打ち付けて押さえつけられていた。 「ガハッ!」 内臓が押しつぶされるような感覚に吐き気がした。なんだこれ…俺いつの間に寝た?だってこんなの現実なわけないだろ…?? 下着に指をかけられ引きちぎられ、片手で足を上げられ密部に擦り付けられる。でかくて入りそうもないが、無理矢理押し込もうとしてくる。 「待ってくれ、無理だそんなもの入る訳ない…!」 次の鈍い音がしたかと思えば瞬間生暖かい物が降りかかり、目の前が赤く染る。化け物がゆっくり傾いてゆき倒れ込み、その向こうに人影が見えた。 化け物の額からは剣が見えていて、化け物はピクリともせず人影は化け物に足を乗せて剣を引き抜いてゆく。 ずるずると座り込んでしまい、人影はこちらへ向かってきて月明かりにその姿が映し出された。金髪碧眼に白の軍服のようなものを着ていて、青いファー付きのマントも纏っていてまるで王子様のようだ… 歩み寄ってきて血に濡れるのも構わず跪き、血に濡れた俺の頬に触れてきて目を細めて微笑まれて緊張の糸が切れたように俺は気を失ってしまった。
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