異世界怪奇譚

3/21
前へ
/21ページ
次へ
目を覚ました時には見知らぬ部屋にいて、起き上がれば誰かのベッドの上のようで良い香りがした。ベッドから降りて辺りを見てみればクローゼットや一人用の椅子と机があり大人びた雰囲気があり片付いている。 扉が二つあり隣につながっていそうな扉をゆっくり開けると窓際の書斎にありそうな机に昨日の青年が向かって羽根ペンで何かを書いていた。 「あの」 「あぁおはようございます。良かった目が覚めたんですね」 「俺…あの、ありがとう」 俺が言えば羽根ペンを置いて立ち上がり、俺の元へ歩み寄ってきて俺も歩み寄れば抱きしめられ俺は背中に手を回して目を閉じる。 今になって手が震え、服を掴めばそっと顎に手をかけられ上を向かされて唇が重ねられた。体の震えが止まってゆく… しばらく触れるだけのキスをしていればやっと離され、俺はゆっくり息を吸い元男だと伝えたがまた唇が重ねられる。 「男だと言ったろ…」 「聞きました。でも貴方は嫌がりませんでした」 胸元をそっと押し離したが俺はそう言われ、確かにそうだよなと困惑してしまう。多分助けてくれたのもあって、許してしまっているのだろう。 また唇がゆっくり重ねられ、舌が滑り込まされてくる。胸元を掴んで軽く背伸びをして唇を開き俺からも舌を絡めてゆく。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加