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「よぉー!エミリオっと…邪魔したか」
バッと離れれば黒髪黒目に顎髭を生やした黒衣を纏った快活なガタイのいいおじさんがバツが悪そうに頭を掻いていた。
「彼女…いや彼は私がレイール討伐へ向かったら居た」
「彼?どうみてもおっぱい柔らかそうなのぶら下げてんだろ!?」
「自分で教えてくれたので」
「こんなんつけてる男居ねーよ」
目の前に来てわしっと胸を掴まれ、エミリオと呼ばれた男はその男の手を払い俺を後ろへ庇う。俺は突然の事に困惑しながらエミリオの背に隠れながら男を見る。
右目側に傷跡があり、パッと見怖そうだが笑顔が豪快で怖そうな印象はすぐ消えてゆく。
「俺はグラン・ディアール」
手を差し出され、恐る恐るその手を取ると引き寄せられて抱きしめられる。エミリオより逞しい胸板で腕も太くて、驚いていれば上を向かされ唇が重ねられる。
押し離そうとしても力が強くて引き離せなかったが、バッと離れてゆく。振り向けばエミリオが僅かに剣を抜きかけていた。
「だってこんないい女なら男なら反応するだろ?セックスだってしてみたいだろ」
「セッ…!?」
俺はエミリオに隠れる。エミリオは剣をしまい俺に向き直りじっと見つめてくる…俺も見ていればエミリオはハッとして頭を振っている。
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