笑う

1/1
前へ
/5ページ
次へ

笑う

流れ作業のようにHRを終え、 一限が始まり授業を行う。 入学式が終わり2週間がたちこのクラスでの授業も慣れてきた。このクラスは1年S組なのでほぼ持ち上がりだったがそれでもやはり最初は緊張するようで、全然相槌を打ってくれなかったのが、今では嘘のみたいだ。 「せんせー!黒板の文字可愛いですね! 夜部屋行ってもいいですか?」だの 「きゃー、先生隣の高橋くんが気持ち悪い笑い方しながら寝てます」だの  「先生、水素は総受けってことでいいですかね」だのうるさいことなんの、原因の8割が高橋のせいなので、生徒の見せしめに(ゲフンゲフン、高橋の将来を思って説教するのが、 お決まりになってきている。  毎年、1年S組を希望しているのでこの学園に赴任してきて3年間ずっと1年S組を見てきたが歴代の中でも群を抜いてうるさいが授業していてとても面白い。 今年も転校生など来ないで平穏に授業をできるといいな。 うるせぇ、お前はいつも水さしてくるよな いい加減にしろ、きっと神だってこれぐらいの願いだったら叶えてくる。 あれはきっと高望みだったんだきっと。 「せんせー、どうしたんですか?」 「あぁ、少し寝不足でぼーっとしてた。」 生徒に声をかけられ現実に引き戻される。 「えっ、もしかして可愛いチワワとイチャイチャしてたんですか?詳しく聞かせてください!」 「今まで眠そうだったのに急に目を輝かせんな」 「腐男子の鏡だなんて、照れちゃうなー」 「いや、そんなこと言ってねえーし、 褒めてもねえ」 どっとウケてクラスが笑いに包まれる。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加