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放課後、俺は理事長室に呼ばれた。
俺は基本的に理事長という役職の人間が嫌いだが、当然俺より偉いので従わないわけには行かない。まぁちゃちゃっと終わらせて録画してあるテレビ番組でも見よう。
そう心に決めているうちに理事長室の前まで来てしまった。
「失礼します。」
「ああ一ノ瀬君か、急に呼び出してすまないね」
「いえいえ、用件はなんなのでしょうか」
お前が呼び出したんだろうが、早く言えよ
「実はね、明日から君のクラスに転校生が来るんだ。私の可愛い甥でね、良くしてくれると嬉しいよ」
「はい、了解いたしました。」
それだけ行って俺は逃げるようにして理事長室を後にした。
転校生 甥 理事長 急 1年S組
俺の頭の中で単語がめぐる…。
大丈夫、転校生はアイツじゃない。
状況も似てるけどアイツじゃない。
そもそも毎年1年S組を希望していたのはこの時のためじゃないか。
大丈夫、可愛い教え子たちに俺達と同じ轍は踏ませない。
大丈夫だって言ってんだろ!
俺はもうあの時の何もできなかった俺じゃない。
転校生の好きにはさせない。
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