夏の夜、あなたの事を考えて

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 俺には、片思いしている人がいる。  今隣の席の佐藤さんだ。俺は、佐藤さんが入学してすぐに、陸上の大会で表彰されていたのを見た時に、彼女を好きになった。一目惚れだった。体育館のステージの上で嬉しそうに笑う姿が眩しかった。そんな佐藤さんは今、俺の隣の席だ。俺が勇気を出してテスト範囲を聞くと、彼女は嫌な顔一つせず教えてくれた。本当は後ろの黒板に貼ってあるのだけれど、彼女と話す話題がなんでもいいから欲しかった。彼女の画面に俺がよくやるゲームが映った。ついつい、一緒にやろ。なんて誘ってしまった。スマホの画面を覗いているようで引かれるかと思ったけど、彼女はいいよ!と言ってくれて、正直嬉しかった。  でも、彼女はそれ以降、なぜか少しずつ性格が変わっていった。俺は、彼女の真っ直ぐで素直なところが好きだったのに、最近は全く違う。こんな彼女も好きだが、俺にだけ態度が違うことを考えると、俺のことを鬱陶しいと思っているのかもしれない。ゲームもいつも電話をかけるのは俺なのに、終わらせるのは佐藤さんだ。俺は嫌われているのだろうか。ここで仲良くなって、花火大会に誘おうと思っていたのに、正直今は、自分の気持ちがわからない。今日もゲームをやる約束をしているが、どんな風に話せばいいのだろう。  そんな時、メッセージが届いた。 『明日の花火大会、誰かと行く予定ある?』
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