命がけの救出

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命がけの救出

「きゃ〜〜〜!!」 ヒーローにすべからく与えられる助けを求める声が聞こえてくる能力、"地獄耳"。 そこへ聞こえてきた叫び声を聞いて彼は目を覚ます。 「変〜身!!」 すぐに服を脱ぎ捨て 仮面を装着するうんこ仮面。 そして、もう一つの特殊能力。 うんこ仮面が目を瞑ると少女と 周りの景色がぼんやりと映し出される。 「う〜ん、、、ここは、、、、。」 それは"千里眼"の能力。 助けを求める人の場所が脳裏に映し出され、 声の聞こえる方向、その人の特徴、 地理感、置かれている状況が分かり、 ヒーローはそれに備えてその場所へ向かうのだ。 現場へ行く途中、うんこ仮面の耳に 少女とは別の様々な声が飛び込んでくる。 「助けて〜」 「熱いよ〜」 方向からして少女と同じ場所。 どうやら複数人が危険に晒されているらしい。 それも熱い熱いと行っているその場所は 炎に包まれている。 火事だ。 何人もが巻き込まれた大きな住宅火災。 しかし、現場に着いたうんこ仮面は 想像を遥かに超える光景を目の当たりにする。 高層ビル。 消防車のホースも届かない高層階。 その上半分ほどが炎で包まれていた。 消防隊員も戸惑う光景。 ヒーローに与えられるのは2つの特殊能力。 それ以外は個性、 つまりはそれぞれの身体能力や それに見合った武器などを使って人を助ける。 しかし、うんこ仮面の身体能力は普通。 特に得意な事もなければ見合った武器などもない。 あるのは生身の身体のみ。 そんなうんこ仮面だが、 高層ビルを見上げると、 全身に水をかぶり、 消防隊員の制止を振り切り 迷わず炎の中へ飛込んだ。
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