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建物の中は灼熱地獄。
うんこ仮面は考えがあって建物に飛込んだわけではなかった。
とにかく人を助けたい。
いつもその一心のみで助け続けた。
絨毯、壁に炎が燃え移り、
それでも命からがら一人、二人と非常階段へ誘導するうんこ仮面。
しかし、階を増す事に火の手は大きくなり、
ついには一面炎のに包まれてしまった。
「流石にこれ以上は進めないな。」
引き返そうとするうんこ仮面。
すると、奥から声が聞こえてくる。
「助けて〜〜〜!」
その声は女の子のようだ。
まだこの先に人がいる!
目の前の燃え盛る炎に懸命に挑むうんこ仮面。
しかし、あまりの熱さに後ずさり、
周りに火を消せるような物もない。
自分の身体の周りの水分も
ほとんど蒸発してしまい
あちこち火傷をしている。
「さすがにこれ以上は、、、。」
そう、思った時、ある光景を思い出す。
火事の中、大きな男の人に抱えられ
助け出される。
男の人の腕や胸には大きな火傷の跡。
男の人がつぶやく。
「ぼく。よく諦めないで頑張ったね。」
そうだ!
僕は、
あの人みたいになりたくてヒーローになったんだ!
うんこ仮面は目を見開き、
そして、炎の中へダッシュ!
「僕のいい所は諦めない所!!!」
身を焼かれる激痛に耐えながら
女の子の元へ駆け付けた。
女の子は泣きながら窓の外へ
身を乗り出し叫んでいる。
「誰か〜〜!熱いよ。お父さん、、、お母さん、、、。」
うんこ仮面はそっと近づき女の子の頭を撫でて言う。
「よしよし!大丈夫だからね。」
しかし、事態は思っていたよりも深刻。
うんこ仮面の非負は火傷で突っ張り、
まともに動けない状態。
しかも後ろは炎。
女の子を連れては炎の中を走れない。
そして、
目の前の窓の外は
地上20階以上!
炎は今にも二人を飲み込んでしまいそうだ。
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