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「ま、なんつってもだよな?」
「そうだな」
「だよね?」
「ほぉんと、早紀は旦那にも容赦なさ過ぎ!」
一斉に視線と言葉を投げかけられ、少しだけ面を食らってしまった。けれど、そんな私に助け船を出してくれる大切な、大切な人。
「まあ、仕方ないって俺は諦めてるけど?」
「はは、ごめんね千秋」
手を合わせて舌を出すと、綾がまたお怒りモードで上唇を尖らす。幸せ過ぎてごめんね?でも、こうなるまでに頑張ったんだよ。それを綾もみんなも千秋も知ってるから、これ以上はなにも言わない。
「あー!私も婚活しよっかな~」
「ぶっは!じゃあよ、余り者同士で結婚すっか?」
「はあ?!バッカじゃないの!」
「馬鹿じゃねえよ!」
「バカじゃん!」
「ああもうほら、バカの共演がはじまった」
「「千秋ひどい!!」」
笑って、怒って、笑って。
こんな他愛のない時間が愛おしい。何気ない日常が嬉しい。
「さあ、そろそろ出ないと遅れる」
相変わらず一人落ち着いている聖は、腕時計に目を落として穏やかに微笑んだ。そんな聖の傍でくっついて離れないのは、彼のたった一人の家族、たった一人の妹。
「あ、ねえ!じゃあじゃあ聖!私と結婚しようよ~」
「だあめええええ!ひーちゃんは誰とも結婚しません!」
「ぶっは!妹からのダメ出し!ほらほら、俺にしとけって?こいつらもう兄妹っつーか夫婦じゃん?立ち入り不可じゃん?」
「マジでうっさい!」
賑やかで、うるさくって、あたたかい。
色々とあったけれど、私達は今日も生きている。道を踏み外しそうになった時も確かにあったね。でも、ちゃんと生きてるんだ。
「はー、同窓会っていっても元々の人数が少ないもんね」
「ああ、でも皆来るって」
「そうなの?」
「ん、早紀にタカルって笑ってた」
「なにをー!」
六人で〝生きて〟いく。今日も、明日も、明後日も。
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