コード003

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コード003

俺はコード003。002に助けられた。その時俺は詐欺師に金を盗られ自己破産しようかと悩んでいた時だった。002は俺に光を灯してくれた。 俺は組織に入った。組織のメンバーはどうやら2人のようだった。しかし002はこの組織は3人いるといった。まだ新しい組織だったからもう1人がどこかに遠出しているわけがない。それでは近くにいるだろう。そう思って俺は一日こじんまりとした事務所──今はここがアジトらしいが──で待っていた。しかし時折002が誰かと話している声が聞こえたくらいで出会うことはなかった。 ──おかしい。俺はそう思った。もう2日も経っている。しかし002が001と呼んでいる人は姿を現さなかった。もう俺は我慢できなかった。たとえ俺が002に助けられた身だとしても。 俺は002に訊いた。001はいないだろ。なぜ001を空けておくんだ、と。 すると002は少し頬が紅潮した。しかしすぐに少し驚いた顔をした。そして002は冷静にあのことを話し始めた。 002は、これは本当は話すつもりはなかったんだが、と前置きをして話した。 俺は驚いた。001の功績や計画、過去。その他にも信じられないことがあった。 そうして俺は思ったのだ。いや決めたのだ。 コード001は他の誰にも使わせない。使うことの許されない番号だと。
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