無知な強盗

計画

目的の日まで残り3日──。

俺たちは盗みに手を掛け始めた。下見の結果は001から聞いている。
まずは美術館に侵入する方法だ。それは準備のおかげで容易いと思い、誰も反対しなかった。美術館に侵入するには3つほどルートがあった。正面入口、裏口、そして窓だろう。正面入口は鍵が内側から掛かっており、裏口も同様に鍵が掛かっていた。鍵は開館中は管理人が持っているが夜間は事務室に預けてある。事務室には2人の警備人がいる。仮眠を交互に取っているのだろう。しかし何も俺たちは人殺しはしない。ただ品を盗むだけ。
残るは窓だった。しかし001の下見の時に送られたメールのおかげで準備ができていた。
次に盗む物、盗品をどれにするかだ。その場その場であれこれ盗っているとキリがない。なにしろあの美術館はとても広いからだ。
しかしそこでも001の下見が役に立つ。どうやら美術館はU字型になっていて奥の方に人集(ひとだか)りができていたという。見てみるとイベントをしていて宝石を見せながら説明をしていた。焦っていて内容までは聞いていないが。
俺たちはその奥にある宝石を盗むことに決めた。ざっと10個。総額は──001の借金を返せるくらいは普通にあるだろうとのことだ。

俺たちはその日までに計画を立てていった。