無知な強盗

細工

目的の日まであと2日──。

俺は細工をしに行った。もちろん美術館の窓に、だ。
あの日001は俺にメールをくれた。正確には届かなかったが。どうやら送信中に携帯が破損して送れていなかったらしい。その後携帯を直すことができて文面を見ることができた。俺はまた改めて見返す。
文面には建物の構造、侵入経路、脱出路経と事細かく書かれていた。

俺たちは皆、親からの教育を蔑(ないがし)ろにされてきた。おかげで教育は学校でしか受けられなかった。皆小学校の教育までは親がしっかりやってくれたので頭に入っているが。
そう、俺たちの条件は前まで1つだった。しかし俺が001に掛け合って2つにした。その条件が『学歴』だ。俺たちは中学から親からの虐待を受けて中学中退。学歴でいうといわゆる──小卒に当たる。
条件は中卒より下。俺は小卒の方がいいと思ったが001が組織に入る人が少なすぎると言って中卒になった。

しかし俺たちは独学で勉強をした。なので高校でも基礎であれば少しはできる。001は元々頭が良かったそうで応用でも全然大丈夫だ。まあ俺たち全員機械音痴なんだけどな。

──よし、細工は済んだ。あとは帰るだけ。車道を横断する時は気をつけて。