溶けない怒りに砂糖を加える

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 甘過ぎる。  多少暑くても平気だろうと思った僕の思考も、液体となったアイスクリームも、全てが甘かった。  あまりの甘さに舌の根本までが痛くなる。  ――なんなんだこれは。  液体となったアイスクリームだったものを渋々飲み干し、痛みの残る舌を意識しながら僕は考える。  ――僕が何をしたというのか?  何故、こんな悔しく理不尽な思いをしなければならないのだろう。  僕は腹が立つ。  僕はただただアイスを食べたかっただけなのに、何故こんな結末を迎えたのか。  暑いからアイスを食べたかったのに、暑いからアイスが溶けるだなんて、本末転倒が(はなは)だしい。  暑いからアイスが食べたい。  暑いからアイスが溶ける。  じゃあ僕は一体、どうすれば良かったというのだろうか。
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