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カーテンから薄明かりが漏れる。
目を覚ましたのは朝の六時だった。
いつもなら再び目を閉じるケンタ。彼は珍しくもぞもぞと布団から身を起こした。
「まだまだ余裕あるけど、今日は面接かぁ。緊張のせいか昨日は寝付くのに時間かかったなぁ」
「おはよう。今日は早いね」
「おはよう。母さんが内職してるの久々に見たよ」
母子家庭の彼は母を内職から解放してやるためにも今日の面接に合格しなければいけやかった。
「今日はアンタの好きな明太子食べていいから頑張んな」
明太子!?
やりぃ。
ケンタは喜び勇んで冷蔵庫に向かった。
[続いて今日の占いのコーナーです…]
と、テレビがしゃべった。
やべ!
ケンタは慌ててリモコンを探した。
「母さん、リモコンどこ?」
「あれ、どこだっけ?炬燵の上にない?」
炬燵の上?ない。どこだ?
[3位、射手座のあなた、調子はぼちぼち、ラッキーアイテムはピンクのハンカチ、コワモテな人に注意…]
もう遅かった。ケンタはその日の運勢を聞いてしまっていた。
「まだ信じてるの?占いが当たる。不吉な数字は避けなきゃならない。
思い込みだと思うけどね」
「俺は当たっちゃうんだよ。母さんが信じなくても俺には…」
引き出しをあさってピンクのハンカチを見つけ、ポケットにねじ込みながらケンタは自分の体質に嫌気がさした。
こんな占いに今日の俺の一日は左右されてしまうのか。
コワモテな人に注意、ふざけた占いだな。
工業高校をでて初めての面接、ラッキーアイテムはしっかり準備したし、まぁその恩恵を受けられるのは有り難いけど、コワモテな人ってのが面接官の人だったりしたらイヤだなぁ。
そんなことを考えながら久々の高級食品明太子と白飯をかき込んだ
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