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商店街を歩くと、色とりどりの提灯に目が行く。
いつものコンビニや、クリーニング屋、いつの時代から始めたのかわからないタバコ屋、小さい頃から買い物に行っていたスーパー、もしかしたらそっくりな風景があるのかもしれないが、提灯が吊るされるだけで、別の場所に来たのかもしれないと錯覚する。提灯にはこの商店街の名前や店の名前が達筆な字で書かれ、この商店街を支えてる立派な店のように見せているのかもしれない。今は提灯の明かりはついていないが、暖色の明かりが灯ると、店が閉まった暗い道を照らし、通り過ぎるだけの道をゆっくりと歩いたりした――でも、この景色は今度の土曜日まで、夏祭りが終われば、ただの蒸し暑い帰り道に戻ってしまう。
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