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山月は、入り口のガラス扉を引き開け、外に出た。
「こ、これは!?」
四人のチンピラが、路上に倒れていた。ヒクヒクと痙攣している者もいる。血を流している者もいる。
「ああ、山月くん。もう、終わったんで、女の子たちを送ってから、戻るって、相田さんに伝えといてくんないかな」
九が、女の子らを連れている。息も服も乱れていなかった。
「ほら、対処が早かっただろ? 詳しく説明しなくても、九は私の心を読んで、思い通りに行動してくれる。優秀な部下だ」
店内に戻った山月の頭の中には、たくさんのクエスチョンマークが浮かんでいる。
「何から聞きたい? まずは、さっきのことからか?」
何から質問したらいいのか迷っていると、相田がそれを察してくれたらしい。
「そ、そうですね……。な、何があったんですか? 若い女の子と、あのチンピラどもと、トラブルでも起こしたんでしょうか?」
相田は、コースターにグラスを戻し、ナッツに手を伸ばす。
「ここに来るまでに、彼女らを救い出したんだ。あのチンピラたちは、借金しがちな女の子たちを嵌めて、返済不能に陥れて、売春ビジネスをやっていたんだよ」
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