ビー玉の蛍、実に良く在る星空

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「お、お前も気になるのか」  僕がテレビの前で光る星を眺めていると、それに気づいた父が、酒臭い息とともに近づいてきた。僕は逃げたい気持ちに駆られたが、この星を見ていたい気持ちもあり、苦笑混じりに仕方なく父へ返事をした。 「これはな、プラネタリウムって言うんだ。不思議だろ、室内なのに星が見えるんだよ」 「ちょっと、プラネタリウムなんて言っても、わかるわけないでしょ」  父のビールのグラスを下げに来た母が、苦笑しながら父に言った。どうやらこの星は、プラネタリウム、というものらしかった。このプラネタリウムにかかれば、室内で星を見ることができるらしい。仕組みはよくわからなかったが、それならばこの家もプラネタリウムで星が見えるようになればいいのに、なぜそうしないのか、と父に言いそうになった。その瞬間、僕の頭に電気が走ったような感覚があった。 ーーー何も、星は外でしか見れないものではないらしい。さらに、丘だって必ずしも外にあるとは限らない。  そう閃いたとき、昨日の夜の僕の行動で、僕の頭から抜け落ちていたシーンが全て蘇ってきた。本当に面白いように、芋づる式に次から次へと記憶が掘り起こされ、断片的だった記憶が一つにまとまった。昼間に思い出せなかったのが残念だが、間違いない。僕は、あの丘の場所を思い出した。  あとは、今日の夜中に確かめるだけだった。  はやる気持ちともどかしさにそわそわしながらも、夜中に備えるべく、ベッドに行き睡眠の準備をした。
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