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「気持ち、いいっ! もっと!」
私のオネダリに、ちゅうっと音をたてて吸いあげる。思わず腰を上下に揺らして、自ら刺激を強めた。
私を気遣ってるのか、学くんの優しい愛撫はもどかしさも手伝って、普段は言わないセリフがどんどん出てしまう。胸に置かれた学くんの手の上に自分の手を重ねて揉みしだきながら、激しく腰を動かした。
「ま、まっ学の口で、あぁっイキそ、あっあっ、も、ィくっ!」
絶頂を知らせた私のセリフに合わせて、学くんの舌使いも激しくなる。ナカに挿れられてる指も私を感じさせるように、ぐちゃぐちゃと出し挿れされた。
「ん~~~っ!」
容赦なくさらに責めまくる学くんの顔を力ずくで退かし、くすぐったさからなんとか逃れる。
「学く、これ以上は、もう……いいから、変になる」
「俺もイキそうだった」
「は?」
口元を腕で拭って私を見下ろす、学くんの眉間にシワが寄る。見るからにつらそうなその様子から、本当にイきそうだったのがわかった。
「美羽のナカに挿れてる指が、ぎゅんぎゅん締めつけられたのを感じたらさ。ヤバいくらいに俺のも感じちゃって」
「そ、そうなんだ……」
「……挿れていい?」
学くんはベッドの上で快感を引きずる私をチラチラ見ながら、ボソッと訊ねた。
「うん、ちょっと待ってね」
ボックスティッシュの傍にゴムがあったことを思い出し、重たい体を起こしてバスローブを脱ぎ、ベッドヘッドに手を伸ばしてそれを掴む。
「学くん、つけられる?」
「うん、練習したし」
そう言って手渡したゴムをつけようと、私に背中を向けて、装着し始めたのだけれど。
「……痛い」
低い声で呟かれたセリフを聞いて、あっと思った。
(もしや普通サイズのゴムだから学くんのサイズだと、かなりキツいんじゃないかな)
「学くん、無理しないほうが――」
「別のにつけ変える。もう少し待ってて」
ベッドから勢いよくおりて、青色のバスローブをなびかせた学くんが、買い物袋を置いてあるテーブルに移動し、ビニール袋をガサガサ漁る。
「実はさっき寄ったコンビニで、大きいサイズを買っておいたんだ」
買い物を終えてコンビニを出たと思ったら、「買い忘れしたから待ってて」と言われたことを思い出した。
「あ、そうなんだ。よかった……」
「箱で買ってるし、その、何回もできる、よ?」
耳まで顔を染めた学くんの爆弾発言に、私まで顔が赤くなってしまった。
「ちょっ! なにを言って……」
「箱の中身がなくなるまでシたいって俺の気持ち、わからないだろうな……」
「学くん――」
「ただシたいだけじゃなくて、愛したいんだ。美羽とひとつになりたくて」
箱から取り出したゴムの袋を、恥ずかしそうに両手で握りしめて、思っていることをきちんと伝えてくれる学くんに、私も同じ気持ちなのを伝えなければと考えた。
「うん、そうだね。私も学とひとつになりたいよ。だからほら、早くきて!」
両手を広げて誘う私に、学くんが飛びついてくると思ったのに。
「あっ! 美羽姉、ちょっとだけ待ってて。その状態をキープ! すぐにコレつけるから! すぐにつけっ……ああもう、つけるタイミングがズレると、こうなるのか、くそっ!」
一歩だけ足を踏み出した学くんが、手に持ってるゴムに気がつき、髪の毛を掻きむしりながら苦悩する姿を、ベッドの上からカラカラ笑って眺めてしまったのだった。
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