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第4話【花のような火】
「んんー?ここわかんねーな…」
僕は頭を悩ませた。あっどうも、メリーです。
「あー、まじで宿題ダルいー」
カクムミが呻き声をあげた。
今は勉強会中。宿題を早めに終わらせ、みんなで満喫しよう大作戦を試しているが、夏休み期間分の自学をやるには大変だ。
あーーーーーーー!もう辞めたい。ゲームしたい!マイ○ラ!AP○X!!アァァァァ!!!!!!
※どちらも楽しい( ˆОˆ )♪
「そういや花火したいね。」
急ならての提案にみんながうなずいた。
「みんなで花火か…」
しかし、メリーだけうなずいていなかった。
「花…火???」
みんながこっちを向いて驚いていた。
花火ってなんだ?花…??花って火なの??????
そこでもふねこは提案した。
「やってみた方が早いね…笑」
私は花火を知らない…でも面白そう。
「よーっし手っ取り早く宿題終わらそうぜ!!!」
カクムミの声にみんなが手をあげたので、遅れて僕はあげた。
「メリー、花火ってね綺麗なんだ!大きな物もあればお手軽に手で持って楽しめる花火もあるの!!」
もふねこが嬉しそうに言った。笑顔が可愛い。
「花火か…もう1年くらいかな?やってないの。」
らてがつぶやいた。
「おっ!今日って花火大会らしい!」
かなまめがスマホ片手に言った。
「楽しみだね♪」
いきなりもふねこにもちかけられた『楽しみだね』に僕は混乱した。
「うん…夜が楽しみ!」
大きな笑みを浮かべ、私は宿題を続けた。
夜が待ち遠しかった。
「ねぇ、花火っておっきいのに小さいの?」
よくわかってないんだよな…
「ははっ!そうだね!手持ち花火と打ち上げ花火。そんな名前だったかな?」
もふねこは言った。
「花火…なんか凄そう…」
やっぱりわかんないや。
「簡単に言えば大きな花を咲かせるんだよ!」
大きな…花?
「空に花が咲くの!!」
もふねこの言っていることを想像するとよく分からないがなんか凄いらしい。
色々なことをしながら僕達は夜を待った。
「来たね、みんないる?」
点呼してみんないるのを確認した。
「…そういや、僕らどうなるんだろう。夏休みが終わって、2学期が来て、冬休みが来て、3学期が来て…アスファルト団はどうなるんだろう。」
らてのつぶやきでシーンとなった。
確かにどうなってしまうんだろう。
未来でも笑って、泣いて、喧嘩して…家族のような生活ができるだろうか。
「できるやろ( 。∀ ゚)」
カクムミの一言で全てが壊れたな。うんうん。
「んじゃ、花火するか。」
かなまめがカチッっと火をつけた。花を咲かすのに火が必要なのか?
「私やっていい?」
らてが答えた。
棒のような物の先に火をつけた時、今まで知っていた世界と別の次元に行ったような気持ちになった。
初めてだ。
色鮮やかに光る火。花のように綺麗な見た目。
「すごい、本当に花みたい…」
メリーは言葉が出なかった。
「もっと花火はあるよ!どんどん楽しんじゃって〜!!」
楽しい、こんなに楽しい夏は初めてだ。
しばらくするとこの街の空を彩るように大きな花火があがった。
「…!!」
言葉が出ない、綺麗だとか凄いだとか言えないほどの興奮状態に自分は何もできない。
家族がいるうちにどうしてこんなに楽しいことをしなかったのだろう…いや、できる家庭状況ではなかったんだ。
いいな、みんな。これを家族で楽しんでいたんだ。
「メリー…?」
もふねこの言葉が届かない。
そう、彼女は泣いていた。
「えっ!?めっメリー?!なんで泣いてんの?」
もふねこの驚いた声で覚ました。
「え…?泣いてるの?私…え?今、一人称…」
メリーの中で何か変なことが起こったのか、もしくは…
「まっ、楽しめばいいじゃん?」
ポジティブな気持ちには勝てないのがカクムミだ。いい励ましをしてもらったな。
「あ!見てみて!!空に花火が!!」
もふねこの言った言葉に合わせて空を見る。
「わぁ…綺麗。」
初めての光景にメリーは口があいた。
大きな花が咲いた。
赤い花や緑の花が咲いて、大きな音と共に散ってを繰り返す。
その花火を背景に記念撮影をする。
「どうして花火はいなくなってしまうんだ。もっと見ていたいのに…」
メリーの質問にらては答えた。
「それこそが花火のいいとこでしょ?」
大空に輝いた花火は終わった。
「最後はこれっ!!」
かなまめは袋から細長い袋を出したそこには『線香花火』と書かれていた。
「せんこう…はなび?」
みんなが僕を優先してくれた。
「火、つけますね。」
つけた瞬間、シューっという音を鳴らしながら線香花火が燃えた。
そして、パチパチとなりそうな見た目で光っていた。
「!?…なにこれすごい…」
すると火が消え始め、ポトンと落ちてしまった。
「っ…消えた?」
メリーの反応に周りがくすくす笑っていた。
こうして花火を堪能し、我々アスファルト団は一日を終えた。
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