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4 はじめての出会い
わたしは今まで、人間の幽霊と話したことがない。
だから本当は怖いけど……精いっぱいの勇気をふりしぼった。
だって、八神くんの悩みを解決できるのはきっと、……わたしだけだから。
『彼女』の最初の一言は、想像していた通りのものだった。
「……あなた、わたしのことが見えるの⁉︎」
口元に手をあててこっちを見ている彼女は、目が飛び出ちゃいそうなくらいびっくりしてる。
そりゃあそうだよね。フツーの人は、幽霊なんて見えないもん。
おそるおそるうなずくと、後ろに光が見えそうなぐらいまぶしい笑顔になる。
「うれしい! 今まで、そんな人に会ったことなかったから……ほんとにうれしい!」
「えっ⁉︎ わっ……。」
いきなり近づいてきた幽霊の女の子に、ぎゅっと手をにぎられて……わたしのほうがびっくり!
おどろく気持ちはわかるけど……テ、テンション高くない⁉︎
「手をにぎられた」とは言っても、実際には触れられず、ひんやり冷たい空気を感じるだけ。
でも、たしかに「彼女」はここにいる。
不思議だけど、そう思った。
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