4 はじめての出会い

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「わたし、ミナミっていうんだ。あなたは……。」 「あ、わたしは、結木玲那です。」 「あはは、敬語やめよう? たぶん、同じ歳だし。」 同じ歳。 彼女……ミナミちゃんも、小学六年生っていうこと? ショートカットが似合う、キラキラとした笑顔の彼女は、同級生にしては少し幼く見えた。初対面の人に敬語を使っちゃうのは、人見知りなわたしのクセみたいなものだ。 「レナちゃん、わたしみたいなのが見えるんだね。すごいね。」 「すごくなんかないよ。ミナミちゃんみたいな人間の幽霊をこんなにハッキリ見たのは、はじめてだし。」 「幽霊……。」 そうつぶやいたミナミちゃんが、ちょっとだけ悲しそうにうつむく。 ……今のは、無神経だったよね。 「ご、ごめん。そんなつもりはなくて……。」 あわててあやまると、ミナミちゃんはパッと顔をあげてまた笑った。 「ううん。自分が幽霊になってるなんて、前からわかってたことなのに。わたしこそごめん。」 「ミナミちゃん……。」 「わたし、レナちゃんに気づいてもらえてすごくうれしいんだ。だれかとおしゃべりするのなんて、久しぶり。」 もしかしたら、幽霊になってからずっと、一人でさまよっていたのかな。 だれにも気づいてもらえず、ひとりぼっちで……。 そう思ったら、胸の奥がチクッとする。 さっきまでは、「八神くんのために」って考えていたけど。 今は、「ミナミちゃんのためにできることはないかな」って思ってる。
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