2 校内散策と、白い手

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「だ、大丈夫⁉︎」 「はは……さすがにちょっと、ヤバかったかも。ハンシャシンケー? みたいなの、役に立ったのかな。」 なんでもないように笑っているけど、さすがにその口もとは引きつっている。 おでこには、汗もにじんでいた。 「八神くん、今の……。」 「そう、なんか後ろから引っぱられた感じしたんだ! 見てたでしょ?」 「う、うん。」 具合が悪くてめまいがしたとか、不注意で足をすべらせたとか。 そういう落ちかたじゃなかったのは、見ていてわかった。 それに……。 「もしユーレイのしわざだったら、俺にうらみでもあんのかなぁ……。」 「ど、どうだろう……。」 どこか不安げな表情の八神くんには、言えなかった。 落ちる瞬間、八神くんの後ろに白い手が見えたこと。 そして……そのあとすぐ、わたしたちと同じぐらいの背たけの女の子の影が、スーッと消えていったこと、なんて。
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