第4章 野良猫と夜祭り

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「へぇ。…そっちの学区、すごいな。結構いろいろあるんだ」 越智が変な感嘆の仕方で反応した。そう言いつつ自分も大事な意中の子を隠すべく、急ぎ足でぴったりその横についたけど。 「まあ。…紛れちゃえば大丈夫でしょ。現にこれだけ人いるし、ここさえ凌いじゃえば。学校は別だし」 わたしもそう言いつつ一応だりあの背後について周囲を用心深く見回した。とは言ってもわたしはそいつの顔とか知らないし。 いかにもって感じの手下を大勢従えたガキ大将のでかくなったみたいなやつを警戒すればいいのか。だけどこの人波ごった返す中、特定の人を見つけるのは。…かえって難物じゃないか? 「…あ」 そう言いつつ。わたしは行き交う人の流れの中で、よく知ってる顔をばっちりその瞬間見つけてしまった。 向こうも同時にこっちに気づいて目が合って。お互い反射的にその場に立ち止まってしまったその顔は、しばらくぶりの懐かしい成長したあの幼馴染のものだった。 《第3章に続く》
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