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そんな話をしていると、今度は入り口の鈴が鳴った。入ってきたのは、ミコトさんではなく、若い男の人だった。
「あのう、こちらは魔法店でよろしいんですよね」
彼は少し気後れした様子で店の中を見渡した。
「ええ、どうぞ。店主が出かけているので、お座りになってお待ち下さい」
わたしが応接用の椅子に案内している間に、マナがお茶の用意を始め、ハルカちゃんがテーブルを布巾で拭く。狭い店内に三人の従業員は多すぎる気もするが、家族経営みたいで少し嬉しくなる。
「あ、それは」
彼は、ハルカちゃんがテーブルから片付けようとした例のお面を見て、声を上げた。
「このお面が何か?」
「お願いしていた物、見つかったんですね! 良かった」
「お客様の物ですか?」
彼にお面を渡すと、ホッとした様子で胸を撫で下ろしている。
「父の形見なんですよ」
こんな不気味なお面が形見なんて、どんなお父さんなのだろう。
「父はいわゆる、UMAを探す冒険家なんです」
「ゆーま? 未確認生物のこと?」
流石、博識のハルカちゃん。興味があるらしく、目を輝かせている。
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