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石橋コウジと名乗った彼は、お面にまつわる伝承を聞かせてくれた。
『使者のお面』を身につけ、夜空に向かって『約束の鐘』を鳴らすと、それを合図に『アカガイ』が現れるという。
オカルト的な伝承のようだが、彼のお父さんは、そんなものを本当に信じていたのだろうか。
「仰りたいことはわかります。でも、父は本気だったんですよ」
お面を見つめて彼は言った。
「『アカガイ』って?」
「僕も結構調べたんですが、詳しいことはわからないんです。伝承自体の出どころも不明で。動物かも知れないし、もしかしたら宇宙人なのかも」
いよいよ怪しい話になってきた。
「子供の頃、『アカガイ』を見るために、父と何度も出かけました。このお面は思い出深い品なんです」
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