魔法店の交流会

1/7
前へ
/186ページ
次へ

魔法店の交流会

 石橋さんを送り出すと、ちょうど時計の針が午後九時を指した。一応、規定の上では閉店時間だ。お店の入口のプレートを裏返して『CLOSE』にしてから、わたしはちょっと考えた。ここは偶然通りかかるような場所ではないし、実際、一日に二人以上のお客さんが来た記憶はない。  わたしはどうやってこのお店のことを知ったんだっけ。マナを治す魔法を得るために必死だったとはいえ、何故か思い出せない。  中に戻ると、マナがミコトさんと話していた。 「遅くまで、どちらに行かれてたんです?」 「四半期に一度の店主会議に出席してきたのですよ」 「店主……って、魔法店の?」  ミコトさんがゆっくりとうなずく。他にも魔法店があるということだろうか。初耳だった。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加