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「最近、魔法の発動速度が落ちましてね」
「私もですよ。年ですかねぇ。いっそ、若返りを試してみようかなんて考えることもありますよ」
「しかし、この年で寿命が縮むのは勇気がいりますしね」
魔導師が集まる交流会だから当然なのだが、周囲から自然に超自然的な会話が聞こえてくる。わたしも魔導師の一員なのだと、改めて自覚させられる。
「アヤさん、あなたが契約した魔法は何ですか?」
ユカリさんはとても柔らかい雰囲気のある女性で、緊張していた気持ちを和やかにさせてくれた。
「わたしは、治癒の魔法を少々」
「なるほど、店主向きの魔法ですね」
ユカリさんは勝手に納得しているが、店主に向く魔法ってどういう概念だろう。
「じゃあ、ユカリさんは何の魔法を?」
隣で骨付き肉をかじっていたマナが聞いた。
「わたしはいわゆるテレパシー的なものを」
「あはは、それだと超能力っぽいですよ」
「うふふ、そうですね」
なんだか二人が意気投合し始めた。物怖じしないのは、マナの長所でもある。
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