魔法店の交流会

6/7
前へ
/186ページ
次へ
「最近、魔法の発動速度が落ちましてね」 「私もですよ。年ですかねぇ。いっそ、若返りを試してみようかなんて考えることもありますよ」 「しかし、この年で寿命が縮むのは勇気がいりますしね」  魔導師が集まる交流会だから当然なのだが、周囲から自然に超自然的な会話が聞こえてくる。わたしも魔導師の一員なのだと、改めて自覚させられる。 「アヤさん、あなたが契約した魔法は何ですか?」  ユカリさんはとても柔らかい雰囲気のある女性で、緊張していた気持ちを和やかにさせてくれた。 「わたしは、治癒の魔法を少々」 「なるほど、店主向きの魔法ですね」  ユカリさんは勝手に納得しているが、店主に向く魔法ってどういう概念だろう。 「じゃあ、ユカリさんは何の魔法を?」  隣で骨付き肉をかじっていたマナが聞いた。 「わたしはいわゆるテレパシー的なものを」 「あはは、それだと超能力っぽいですよ」 「うふふ、そうですね」  なんだか二人が意気投合し始めた。物怖じしないのは、マナの長所でもある。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加