姉貴の顔に戸惑っていた

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「当然でしょ? いつまでもすねかじりやってるつもりじゃあるまいし。家賃はお父さんとお母さんに補助してもらってるからいいけど、せめて自分の食費と光熱費くらいは出せるようにしてよ。あと、洗濯物も畳んだから自分の仕舞っておいて。これ飲んだら掃除機かけるから」  ……いや、それくらい自分でできるんだけどな。 「……わかったよ」  面倒になりそうだからそれ以上は言わないで、配信を見てたノートパソコンを持って自室に移動した。  新しい自分の部屋も、本当に俺を歓迎してるのかわからない。  確かに俺は「本来なら」高二という年だし、経済力もなくあの人の保護下にいると言えばその通りだ。でも、だからって役立たずのように扱われる言われはないだろ。  再生した動画の内容も全然頭に入ってこない。  ……立場が弱いのは間違いない。怒られてここを追い出されりでもしたら困るのは俺だけだ。  引っ越し直後だし、あの人も環境が変わってストレス溜まってるのかな?  同居を始めて三日、早くも俺は、知らなかった姉貴の顔に戸惑っていた。
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