林さんと同居

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優菜は冷凍庫から味噌玉を出した。 「これ見てください。味噌玉です」 林さんは、ん、なに?といった表情で2㎝ほどの味噌の塊を不思議そうに見ていた。 「これは味噌玉です。粉末の出汁と、乾燥ワカメとかゴマとか油揚げ。みそ汁の具材になるものを丸めて冷凍したものです」 いわゆる即席みそ汁だ。味噌は冷凍しても固まらないので半永久的に保存がきく。電気ポットでお湯を沸かして林さんに味噌汁を出した。 「すごい。これ美味いな」 林さんは驚いた顔で私を見る。 「お味噌汁って沸騰したら美味しくなくなるんですけど、これなら沸騰気にせずに簡単にお味噌汁が作れます。そして意外と美味しい」 うんうんと頷きながら林さんは訊いていた。 「たくさん作って冷凍庫に入ってますので良かったらいつでも飲んで下さいね」 そう言うと、うわ有り難いねといって喜んでくれた。それから少し優菜の学校であったことなどを話していると、気がついたら12時過ぎてしまっっていた。 つい話が弾んで、というより、林さんが聞いてくれるのが嬉しくて、遅くまでつき合わせてしまった。 おやすみなさいをしてから優菜は、急いで部屋へ戻ったのだった。
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