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食器を洗いながら、これからのことを考えていた。
この家をやはり出ていった方がいいのか。
それとも最初の先生の言葉に甘えて、しばらくは住まわせてもらいつつも、こうして一緒に食事をとることだけをやめるべきか。
もやもやとした気持ちを抱えながら、家事を終えると廊下ですれ違った先生に「二十三時まで俺もキヨも風呂入らないからその間好きに入って」と言われた。
先ほどの澪さんの件はなにも触れない。けれど何事もなかったかのような雰囲気ではなく、私たちの間にはどことなく気まずさが残っていた。
***
ゆっくりとお風呂に入る気にもなれず、短い時間ですぐに出た。
あんな風に怒りに任せて感情を吐露してしまったせいで落ち着かない。まるで体の中に嵐が来たみたいで、強風が吹き荒れて感情を乱しているみたいだった。
今更だけど、少しだけ後悔はしている。
私は部外者でしかないのに、偉そうなことを言ってしまった。しかもここに置いてもらっている身分だ。
澪さんの苦しみを私は知っているけれど、先生や新條清の気持ちは知らない。
新條家の人たちが、どんな家族として過ごしてきたのかを本当の意味では私は知らないというのに身勝手なことを言ってしまった。
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