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「おめでとう。うまくいってよかったね」 弥代ちゃんはずっと否定していたけれど、きっと中学生の頃からずっと真千くんのことを想っていたのだと思う。 それに真千くんが弥代ちゃんのことが好きなのは、誰が見ても明らかだったので、ふたりがうまくいってよかった。 「お前らふたりとも幸せそうでなによりだな」 皮肉めいた言葉で笑みを見せる赤地くんに、未弥が察したように私を見た。弥代ちゃんもその視線に気づいたらしく、もしかしてと口に手を当てる。 「うっそ! 私全然気づかなかったよ!?」 「弥代に気づかれるくらいなら、学校中に知られてるだろ」 「ねえ、それどういう意味」 まあ確かに弥代ちゃんはちょっと……いやだいぶ鈍い。 真千くんからわかりやすいくらい想われていたのに、中学の頃は気づいていなかったくらいだ。 「つーか、俺は何度も振られてるし」 この場で暴露する必要があるのかとじっとりと横目で見るけれど、赤地くんはあっけらかんとした様子でさっきも降られたと話してしまう。 「彼氏いるらしいし」 「ちょ、赤地くん!」 さすがに勝手に話しすぎだと止めようとするけれど、弥代ちゃんが食いついてしまった。 「え、彼氏!?」 未弥だけは誰なのか知っているため驚く様子もなく、それを赤地くんが目敏くも気づいてしまった。 「へー……未弥が知ってるってことは俺らも知ってるやつ?」 「えっ、いや俺は……」 「関係ないでしょ」 未弥が余計なことを言う前に、するに割って入る。 なんでこういうことは察しがいいのかなとため息が漏れた。 未弥も隠し事はうまいほうではなく、気まずそうに視線を泳がせているけれど、弥代ちゃんに「知ってる人なの!?」と詰め寄られている。
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