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「一応弥代ちゃんたちの家にいることは連絡しておく」 先生に今弥代ちゃんの家にいるから遅くなると短いメッセージを送った。 なにも言わずに遅くなってしまったあの時は違い、前もって連絡をしておけば問題はないはずだ。 「もしかして、小夜。彼氏とうまくいってないの?」 だから今日私たちの家に来たのかなってと、不安げに弥代ちゃんが聞いてくる。 「合わないとかそういうのではないんだけど……」 これもまた答えに困る話だった。 問題なのは私と先生の性格とかそういった部分ではないため、うまくいっていない理由というのがとても説明がしにくい。 「じゃあ、なんでだよ」 「だから、赤地は一旦黙った方がいいって」 未弥が赤地くんを止めてくれるけれど、納得がいかないと言った表情で赤地くんが腕を組んで睨んでくる。 「まあ確かに、赤地くんに言う必要なんてないよね。振られた男だし」 「おい、弥代」 「けど、私個人としては小夜が心配だから、私の部屋でふたりきりで話す?」 本当なら弥代ちゃんとふたり、もしくは未弥と三人の方がいいけれど、赤地くんは連絡してくれたこともあるし、おそらくこの人は自分が納得するまで引かない。そういう面倒な性格なのだ。 「ううん、大丈夫。ありがとう」 頭の中で問題を整理して、話せることだけを掻い摘んで説明をする。 私の義母と、彼氏の義姉である人物は、私にとっては大事な人だけど、彼氏にとっては確執がある人であったこと。 だからこそ、義母を追い出したその家の人たちを私は一方的に恨んでいた。それなのに私はその家の人と付き合いはじめてしまった。 そして昨夜私の隠していた感情を彼氏や家の人に知られてしまい、気まずいということを話した。
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