0人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー!もうこんな時間?どんだけあんなところで寝てたのよ全くぅー」
時計を見ると既に三時を回っていて琴美は驚いた。
「明日は休みで良かったー!ささ寝よ寝よ」
スリッパを脱いでベッドに上がった時、スリッパが引っ掛かり裏向きに床に落ちた。
「あれっ?何か踏んだかな……」
染みのように何か液体を踏んだであろう跡がある。フローリングの床をよく見ると、点々と小さな水滴が扉の方まで無数にあった。
ぎょっとした琴美は部屋を見渡す。
素足のままティッシュを数枚取り、這いつくばるように水滴を拭った。拭きながら考えることはひとつ……。
この部屋の何処かに居る。あの人形が居る。暑くもないのに額から汗が噴き出した。
最初のコメントを投稿しよう!