doll

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 「えー!もうこんな時間?どんだけあんなところで寝てたのよ全くぅー」 時計を見ると既に三時を回っていて琴美は驚いた。 「明日は休みで良かったー!ささ寝よ寝よ」 スリッパを脱いでベッドに上がった時、スリッパが引っ掛かり裏向きに床に落ちた。 「あれっ?何か踏んだかな……」 染みのように何か液体を踏んだであろう跡がある。フローリングの床をよく見ると、点々と小さな水滴が扉の方まで無数にあった。 ぎょっとした琴美は部屋を見渡す。 素足のままティッシュを数枚取り、這いつくばるように水滴を拭った。拭きながら考えることはひとつ……。 この部屋の何処かに居る。あの人形が居る。暑くもないのに額から汗が噴き出した。
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