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翌日。小学生になって五回目の夏休みの最初の日。マモルがキョーダノイドZハードと一緒に空き地へ行くと、そこに五所川原ダンの姿はなかった。マルオとシスタノイドHビーナスがバドミントンをして遊んでいた。いつもはダンに遠慮して空き地へ来ない他の子供たちも空き地で思い思いにのびのびと遊んで過ごしている。
「アニキ、見てよ。みんな平和に遊んでるよ」
「うん。ガキ大将のあいつも当分は大人しくしてるだろうからな」
キョーダノイドZハードは満足そうに微笑んだ。
そのときだった。
「わははははは」
どこからともなく不気味な高笑いが聞こえてきたのだ。マモルはなんだか嫌な予感にとらわれ、辺りを油断なく見渡した。
空き地の隅のほうの草むらから、五所川原ダンの大柄な身体が姿を現した。
「マモル。昨日はおまえん家のアニキがよくもやってくれたな。今日はうちのアニキがおまえらにたっぷりお礼をしてくれるから覚悟しろ」
ダンは自信たっぷりに後ろを振り返り、右手を前に差し出した。
「アニキ、敵討ちお願いします」
「うちの可愛い弟を泣かせたのはおまえらか」
雄叫びと共に、金色に輝く強化金属に身を包んだアニキ型ロボットが躍り出た。
「アニキ型キョーダノイドXハイパー参上!」
金色のキョーダノイドXハイパーは、太い両腕で厚い胸板をドカドカ叩き、マモルたちを威嚇している。
マモルは震え上がった。
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