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灯りは提灯だった
その提灯は大きな口を開け
その上にからっぽの眼下が二つ開いた後ろに炎が揺らめいていた
提灯は人の顔の皮でつくられていた
そしてそれを持つのはさっき見た猿
提灯を持った猿の後ろには駕籠を担いでいる猿達
バラバラにされた人の手足を繋げて出来たでこぼこの柄
継ぎはぎの皮で出来た駕籠からはボトボトと何者かの肉片と血が垂れていた
もはや思考が巡らせる事も出来なくなり見た物をそのまま認識するだけになっていた
ふと気づいたのは後ろで聞こえる無数の息遣いと獣臭
俺は悟る
もう生きては帰れない事に
キシャアアアアアア!
ぐちゃ……
おさるのかごやだ ほいさっさ
ひぐれのやまみち ほそいみち
おだわらちょうちん ぶらさげて
それ
やっとこ どっこい ほいさっさ
ほーいほいほい ほいさっさ……
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