希望の灯

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えっさ えっさ えっさほいさっさ 俺は藪の中で今後悔している ただの都市伝説だと軽い気持ちで来てしまった事を ざっ ざっ ざっ 日暮れの薄暗い山道を一列に並んで歩く猿達 それは日本猿のような可愛い物ではなく 人間のような長い手足で前かがみにゆっくりと歩いてくる 一糸乱れず歩く猿達に息を殺し逃げようと後ずさりした時だった ベキ 落ちていた木の枝を踏み音を立ててしまった 歩いていた猿達は立ち止まりピクリとも動かない 大丈夫だ隠れていれば見つからない そう言い聞かせたが 次の瞬間猿達の首はまるで機械仕掛けで揃えたよう一斉にこっちを向いた うああああああああ 全速力で藪の中を逃げた はあはあ 後ろから追って来ているかどうかも分からないが とにかく限界まで走り続ける どれだけ逃げたたか分からない すると少し先に灯りが見えた ぼんやりだが揺らめくオレンジ色に安堵の息が漏れた 助かった誰か居る 誰でもいい 一緒に帰ってくれ 俺は倒れこむ様に灯りの前に飛び出た たのむ!助けてく…… 人は恐怖の頂点に達すると声すらも出ないと言う事を知る
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